横浜駅西口に、
ぼくが子どもの頃からある立ち食い蕎麦屋がある。
急いでいる人が多い場所なのに、
その店の前だけ、
時間の流れが少し違う気がする。
並んでいるのは、
サラリーマンだったり、
買い物帰りの人だったり、
理由はそれぞれ違いそうだけど、
誰も長居はしない。
立ったまま、
蕎麦かうどんをすすって、
静かに店を出る。
それだけ。
でも不思議と、
食べ終わったあとに、
急かされていた感じが残らない。
今日どうするか、
このあとどこへ行くか、
そんなことは、
蕎麦を食べながら考えなくていい。
横浜駅西口の、その立ち食い蕎麦屋は、
急ぐ人のための場所でありながら、
立ち止まることも、
ちゃんと許してくれる気がする。
昔からある店には、
そういう距離感が、
当たり前のように残っている。
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