shinichiro– Author –
-
横浜の、いつもの話
横浜の人は、あまり地元の話をしなかった気がする
横浜で長く暮らしてきた人ほど、 自分から地元の話をすることが少なかった気がする。 「横浜出身です」とは言っても、 それ以上はあまり続かない。 自慢するでもなく、誇るでもなく、 聞かれたら答える、くらいの距離感。 港の話も、街の変化も、 本当はた... -
昭和の常識、今はどう?
タバコの匂いが、特別じゃなかった頃
昔は、 タバコの匂いが、 特別なものとして扱われていなかった。 街を歩いていても、 店に入っても、 どこかでその匂いがするのが普通だった。 それを気にする人もいれば、 気にしない人もいて、 でもいちいち言葉にする感じではなかった。 そこにあるもの... -
横浜の、いつもの話
ホテルニューグランドという名前だけが、先にあった
ホテルニューグランドという名前を、 先に知っていた気がする。 20代の頃、 「ホテルニューグランドで生まれた」というカクテルが飲みたくて、 友だちと一緒に、ホテルの中のバーに行った。 理由は、それだけだった。 背伸びをしていたのか、 大人ぶってい... -
昭和の常識、今はどう?
1円玉を気にしなくてよかった
昔は、 買い物をするときに、 1円玉のことをあまり気にしなくてよかった。 値段を見て、 その金額を払う。 それで終わる感覚が、わりと普通だった。 財布の中をのぞいて、 1円があるかどうかを確認することもない。 お釣りに1円玉が混じるかどうかを、 考... -
昭和の常識、今はどう?
電話番号を、語呂合わせで覚えていた頃
昔は、よく使う電話番号を 語呂合わせにして覚えていた。 紙に書いておくこともあったけれど、 本当に大事な番号は、 頭の中に入れておくものだった。 数字をそのまま並べると覚えにくいから、 言葉に変える。 少し無理やりでも、 自分だけ分かればそれで... -
横浜の、いつもの話
横浜では、少し早く着くのが普通だった
横浜で待ち合わせをしていると、 だいたい少し早く着いてしまう。 早く着こうと思っていたわけではなくて、 そうしていた方が、 あとが楽だっただけだと思う。 遅れるより、待つほうがいい。 時間に余裕があるほうがいい。 それが、特別な考えでもなく、 ... -
昭和の常識、今はどう?
おうちのカレーが好きだった
子どもの頃、 おうちのカレーが好きだった。 特別な具が入っていたわけでもないし、 すごく凝っていたとも思わない。 でも、 カレーの日だと分かると、 それだけで少しうれしかった。 鍋の匂いがして、 台所がいつもよりあたたかい感じになる。 「今日カレ... -
横浜の、いつもの話
横浜で、待ち合わせの人が遅れると連絡があった時は
横浜駅で待ち合わせをしていて、 相手が少し遅れると連絡があった時、 だいたい困る。 10分では短いけれど、 どこかに入るほどでもない。 カフェに入ると長くなりそうだし、 場所を移すと、今度は戻るのが面倒になる。 そんな時、なぜだったか、 有隣堂に... -
昭和の常識、今はどう?
友達の家に電話すると、まず親と話す必要があった
昔、友達の家に電話をかけると、 ほとんどの場合、最初に出るのは本人じゃなかった。 お父さんか、お母さん。 たまにおばあちゃん。 名前を名乗って、 「◯◯くん、いますか」と聞くまでの数秒が、 やけに長く感じた。 声のトーンは自然か。 言葉遣いは大丈... -
横浜の、いつもの話
横浜の昼時、ハマボールを思い出す
横浜駅の昼時は、店だけは本当にたくさんある。 けれど、どこに入ろうとしても、だいたい混んでいる。 並ぶほどでもないし、 遠くまで探す時間もない。 かといって、適当に決めるほど余裕もない。 そんなとき、なぜだったか、 ハマボールの中にあるレスト...