横浜のお土産といえば、
思いつくものはいくつもある。
名前の通ったものも、
分かりやすいものも、たくさんあった。
でも、昔を思い返すと、
「ありがたがられていた」のは、
華正楼の肉まんだった気がする。
一個五百円くらいして、
決して気軽な値段ではない。
だからこそ、
買ってくる側も少しだけ迷って、
持って行くときも、
なんとなく丁寧になる。
渡すと、
大げさな反応はない。
でも、袋を見る目が変わる。
「これは、ちゃんとしたやつだね」
そんな空気が、自然に流れる。
急いで食べたりはしない。
蒸して、
時間をかけて、
きちんと食卓に出る。
横浜のお土産って、
そういう扱われ方をするものが、
一番喜ばれていたのかもしれない。
派手じゃないけど、
値段の理由が分かる。
自慢もしないけど、
軽くも見られない。
ああいう“ありがたがられ方”をする物は、
今は少し、
減ってきた気がする。
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