関内の幼稚園に通っていたので、
遠足といえば、
根岸森林公園か、港が見える丘公園だった。
たぶん、
一度や二度じゃなく、
何度も何度も行っている。
先生に連れられて、
みんなで歩いて、
お弁当を食べて、
また帰る。
そういう一日だったはずだ。
でも正直に言うと、
あまり覚えていない。
根岸森林公園がどんな順番だったとか、
港が見える丘公園で
何をして遊んだとか、
そういう細かいことは、
ほとんど残っていない。
楽しくなかったわけではないと思う。
ただ、
特別な出来事として
記憶に残るタイプの遠足では
なかったのかもしれない。
大人になってから
あのあたりを歩くと、
ああ、こんなんだったなあ
という感覚だけが戻ってくる。
でも、
そのときの自分が何を考えていたのかは、
やっぱり分からない。
遠足は、
思い出になるために
行っていたわけじゃない。
行くこと自体が当たり前で、
終わったら、
そのまま日常に戻っていった。
何度も行ったのに、
よく覚えていない場所がある、
というのは、
悪いことではない気がする。
人生には、
そうやって通り過ぎただけの時間が
ちゃんと含まれている。
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