横浜で育った人にとって、
成人式といえば横浜アリーナだった、
という記憶を持っている人は多いと思う。
式そのものよりも、
新横浜駅から会場までの人の流れや、
少し浮いた感じの服装や、
知っている顔と知らない顔が
同じ方向に歩いていく光景のほうが、
なぜか印象に残っている。
久しぶりに会った同級生と、
特別な話をしたわけでもないし、
何かを誓ったわけでもない。
写真を撮って、
そのまま流れるように解散した、
そんな人も多かったはずだ。
横浜アリーナに行ったからといって、
急に大人になった実感が
生まれたわけでもなかった。
ただ、
「そういう日だった」という事実だけが、
静かに残っている。
あの日から時間はずいぶん経ったけれど、
人生の節目というものは、
案外あとから意味づけされるものなのかもしれない。
その場で何かを決めなくても、
横浜アリーナまで行って、
何も起きなかった、
という記憶が残っているだけで、
それで十分だったのかもしれない。
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