福浦の工業団地に営業で通っていた頃、
昼になると、南部市場をよく使っていた。
市場の中にある、あの大きな食堂。
和食、中華、洋食の三つの窓口が、
ひとつの空間に並んでいる。
席に着くと、
周りには市場の関係者や、作業着の人たち。
みんな迷いなく食べて、迷いなく立ち上がる。
調理場も、ホールの中も、
食堂のおばちゃんたちがてきぱき動いている。
声を出して、手を止めず、
それが当たり前みたいな顔をして。
気づくと、
こちらまで少し背筋が伸びている。
特別な料理じゃない。
でも、ちゃんと温かくて、
ちゃんと力が出る。
南部市場の食堂は、
お昼を済ませる場所というより、
午後を動くための空気をもらう場所だった。
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