子どもの頃、
デパートの屋上に行くのが楽しみだった。
もちろん本格的な遊園地じゃない。
でも、
屋上に出た瞬間、
少し違う場所に来た感じがした。
乗り物は小さくて、
動きもゆっくり。
でも、それで十分だった。
コインを入れて、
しばらく待つ。
順番が来るまでの時間も、
ちゃんと含めて楽しかった。
高いところにいるせいか、
風が少し強くて、
街の音が下のほうに聞こえる。
屋上にいるだけで、
遠くに来た気分になる。
長く遊ぶわけでもないし、
何度も乗るわけでもない。
でも、
「今日はここまで来た」という感じが、
きちんと残った。
今思えば、
あれは遊びというより、
休日の区切りみたいな時間だったのかもしれない。
特別じゃないけど、
ちゃんと楽しい。
デパートの屋上には、
そんな居場所が、
当たり前のようにあった。
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