昔は、
何かを止められるとき、
理由が説明されないことが多かった。
「なんで?」と聞いても、
返ってくるのは、
「ダメなものはダメ」。
それ以上は、
あまり続かなかった。
納得できたわけじゃない。
でも、
そこで話が終わることは、
なんとなく分かっていた。
理由を知らなくても、
困ることは意外と少なかった。
分からないままでも、
時間は進んでいく。
今思えば、
あれは不親切だった、
とも言える。
今は、
理由を説明することが増えたし、
説明しないと、
逆に落ち着かない。
納得できるかどうか。
理解できるかどうか。
そこまで含めて、
話が続いていく。
昔が良かった、という話ではない。
ただ、
「ダメなものはダメ」で終わっていた頃には、
分からないことを、
そのまま置いておく余地があった。
全部を理解しなくても、
一日が終わる。
あの区切りの早さは、
不自由でもあり、
同時に、
考えすぎなくていい境界でもあったのかもしれない。
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