いつもは、
家族の靴が脱ぎ捨てられている玄関なのに、
たまに、きれいに揃っていて、
見覚えのない靴が置かれている日があった。
そういう日は、
だいたい来客の日だった。
こういう日は、
私の部屋に余計なものが押し込められていたり、
台所にお菓子が置いてあったりする。
子どもながらに、
「あ、今日はそういう日だな」と分かっていた。
誰かが来るだけで、
家の中の空気が少し変わって、
動き方まで変わる。
今は、
急な来客で家が慌てて動くことも、
あまりなくなった気がする。
でもあの頃は、
玄関を見るだけで、
家の事情が分かってしまうような、
そんな分かりやすさがあった。
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