横浜で長く暮らしてきた人ほど、
自分から地元の話をすることが少なかった気がする。
「横浜出身です」とは言っても、
それ以上はあまり続かない。
自慢するでもなく、誇るでもなく、
聞かれたら答える、くらいの距離感。
港の話も、街の変化も、
本当はたくさん知っているはずなのに、
わざわざ語ろうとはしない。
東京みたいに前に出るわけでもなく、
地方みたいに強く結びつくわけでもない。
横浜は、その中間にずっと立っていた感じがする。
住んでいることを
説明しなくてもいい街。
分かってもらおうとしなくても、
別に困らなかった街。
今思うと、
ああいう控えめさは、
横浜で生きてきた人たちなりの
ちょうどいい距離の取り方だったのかもしれない。
良かったとも、物足りなかったとも言えない。
ただ、あの感じは、
少しずつ見かけなくなってきた気がする。
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