昔は、
タバコの匂いが、
特別なものとして扱われていなかった。
街を歩いていても、
店に入っても、
どこかでその匂いがするのが普通だった。
それを気にする人もいれば、
気にしない人もいて、
でもいちいち言葉にする感じではなかった。
そこにあるものとして、
なんとなく受け取っていた。
今は、
匂いがすると、
少し意識する。
ここでいいのか。
この距離で大丈夫か。
誰かが嫌な思いをしていないか。
昔が良かった、という話ではない。
変わってよかった部分も、もちろんある。
ただ、
タバコの匂いが特別じゃなかった頃は、
空間について考える前に、
行動が始まっていた気がする。
あの雑さは、
良くも悪くも、
同じ場所にいるための前提だったのかもしれない。
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