むかしは、
今ほど何でも急いでいなかった気がする。
返事も、決断も、
少し遅れても、
それほど問題にならなかった。
「また今度でいいよ」
そんな言葉が、
普通に使われていた。
遅いことが良いわけでもなく、
早いことが悪いわけでもなく、
ただ、それぞれの速さが
そのまま許されていた。
今は、
早く返すこと、
すぐ決めることが、
安心につながる場面が多い。
でもあの頃は、
少し遅れても、
「そういうもの」として、
話が先に進んでいた。
急がなくても、
だいたいのことは回っていて、
それで困ることも、
案外少なかった。
あれは、
時間に余裕があったというより、
人の速さに、
余白があったという感じだったのかもしれない。
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