横浜市民にとって、
二俣川といえば――免許の場所だ。
用事があって行く街、というより、
「そのときが来たら行く場所」。
自分から遊びに行くことはほとんどないのに、
免許の更新や試験になると、なぜか全員そこを目指す。
駅からの道、独特の緊張感。
学生っぽい人も、仕事帰りっぽい人も、
みんな少しだけ表情が固い。
今日は失敗したくない、余計なことを言いたくない、
そんな空気が、建物の周りにうっすら漂っている。
横浜には、
産業貿易センタービルでパスポートを申請する場所があって、
二俣川には、免許のために行く場所がある。
どちらも、
日常の延長線上にありながら、
少しだけ背筋が伸びる用事のための場所。
横浜の街って、
こういう「特定の役割だけを担っている場所」が、
静かに生活の中に埋め込まれている気がする。
普段は思い出さないのに、
必要なときだけ、ちゃんと頭に浮かぶ。
二俣川も、きっとそんな場所だ。
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