給食に揚げパンが出る日は、
朝から少しだけ空気が違った。
誰かが大きな声で言うわけでもないのに、
なんとなく分かる。
今日は当たりの日だ、という感じ。
パンなのに甘くて、
砂糖が手につく。
落とさないように気をつけながら、
それでも急いで食べた。
特別なごちそうというほどじゃない。
でも、
いつもの給食の中に、
少しだけ楽しみが混じっている。
揚げパンの日は、
食べる速さも、
教室のざわざわも、
いつもと少し違っていた気がする。
今思えば、
あれは味よりも、
「今日は違う」という合図だった。
毎日同じように並ぶ給食の中で、
たまに変わるものがある。
それだけで、
一日が少し明るくなる。
揚げパンが出る日は、
特別な説明がなくても、
ちゃんと覚えている。
あの感覚は、
うれしかった、というより、
楽しみが共有されていた時間だったのかもしれない。
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