プロ野球の試合が延長すると、
録画していた番組が、
だいたい途中で切れていた。
時間どおりに終わる前提で、
録画ボタンを押す。
延長があるかどうかは、
運に近かった。
いいところで終わっていたり、
肝心な場面が抜けていたり。
最後だけ見られない、
ということも多かった。
録画は一発勝負で、
やり直しはきかない。
失敗しても、
「まあ、しょうがないか」で終わる。
野球が悪いわけでも、
番組が悪いわけでもない。
ただ、
そういうものだった。
今は、
途中で切れる心配はほとんどない。
あとから見返すことも、
簡単にできる。
昔が不便だった、
という話ではない。
ただ、
延長戦があると録画がずれる、
という前提を、
みんながなんとなく受け入れていた。
うまく撮れていなかった記憶のほうが、
なぜかよく残っている。
あの失敗込みの感じは、
テレビの時間を、
ちゃんと信じていた頃の空気だったのかもしれない。
コメント