むかしは、
忙しいことを、
あまり人に言わなかった気がする。
仕事や用事が立て込んでいても、
それを大げさに話したり、
忙しさを理由にすることは、
どこか控えられていた。
「忙しい」と言うより、
「まあ、いろいろあってね」
そのくらいの言い方で、
話が終わっていた気がする。
忙しそうに見える人ほど、
淡々としていて、
余裕があるようにも見えた。
今は、
どれだけ忙しいかが、
分かりやすく伝わる時代になった。
忙しさを共有することで、
安心する場面も増えた。
でもあの頃は、
忙しさを競わなくても、
ちゃんと分かってもらえていた。
あれは、
余裕があったというより、
忙しさを表に出さない、
一つの作法みたいなものだったのかもしれない。
コメント